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プロフィール
シェルテ
平成4年11月20日生まれ さそり座 血液型O型 現在高校3年生 自称ゲーマーなんだけど周りから見たらオタクなのかも…。 基本的にゲーム、アニメ、マンガは好き。 攻略本を読むのが趣味。 好きなゲーム キングダムハーツ、ぷよぷよ、ポケモン、カービィ、どうぶつの森、ファイナルファンタジー、チョコボ、スカイガンナー、クラッシュ、スパイロ、スーパーマリオ…まだあるかも…。 好きなアニメ・マンガ NARUTOとかハガレンとか荒川UBとか… どうぞよろしくですー☆
オーナーへメッセージ

2009年03月03日

No.15 リーラヴとタスク

―5年前
「オーキド博士~ちょっとお外に行ってくるね!」
「気を付けるんじゃぞ」
「ハーイ!」
3月の終わり。桜が丁度満開の頃だった。
「うわ~キレイ!」
リーラヴは桜に気をとられてつい踏んでしまった。まだ幼いピチューを。
「あっ!どうしよ、踏んじゃった」
 ガサッ するとピカチュウが出てきた。どうやらピチューの母親らしい。
『そこのあなた…うちの子に何するのよ!』
ピカチュウはフーッと威嚇した。
「キャッ!」
リーラヴはマズイ!と思い、急いで逃げた。
『ま~ち~な~さ~い~!』
ピカチュウはものすごいスピードでリーラヴを追いかけてきた。
しかもそうとうご立腹のようで、でんきショックまで使ってくる。
「ごめんなさい~!だれか助けてぇ!」
「サファイア、りゅうのいぶき」
『うわあっ!』
ピカチュウに攻撃は当たらなかったが、ピカチュウは驚いて来た道を引き返していった。
リーラヴを助けてくれたのは1人の少年とサファイアという名前のハクリュウだった。

少年はハクリュウをボールに戻し、リーラヴの元に来た。
そしてニコッと笑って「大丈夫?」と声をかけた。リーラヴはつい泣いてしまった。
「うえっ怖かったよぅ…」
少年はリーラヴの頭に手をやり、優しく撫でた。
「もう大丈夫ですよ」
「う…うん」
リーラヴは涙を拭いた。
「あたしね、リーラヴっていうの。お兄ちゃんは?」
リーラヴはすっかり元気になっていた。(はやっ)
「僕?僕はタスクっていいます」
するとリーラヴはタスクに負けないくらいの笑顔になった。
「よろしくね。タスクお兄ちゃん」

タスクはジムを回るために旅をしていて、次はニビジムに行くことにしていた。
今はジムに挑戦する前に少し特訓しているところだった。
リーラヴはほぼ毎日タスクのところに遊びに行ったりした。
「リーラヴちゃん…」
「なぁに?」
それは2人が出会ってから5日後のこと。
「僕、明日の早朝にここを出るつもりなんです。だから今日でお別れってことに…なりますね」
リーラヴはわかってはいたが少し寂しくなった。
「また会える?」
「…えぇ。きっと」

その日の夕方。
リーラヴはオーキド博士に頼まれて、木の実を取りに近くの果樹園に行った。
その帰りにリーラヴはタスクを見つけた。
(何やってるのかな?)
話しかけようと思ったが、なるべく早く帰ってくるように言われていたのを思い出した。
 ポンッ タスクはモンスターボールからマリルを出した。
そしてそのマリルに何か言っている。しかし遠かったので声は聞こえなかった。
「あ!早く帰らなきゃ!」
リーラヴは急いで帰っていった。

その日の夜。
オーキド博士は「少し用事を済ませてくる」と言って出かけた。
「早く帰って来ないかなかな~♪」
リーラヴはつまらないのでポケモンの絵を描いて遊んでいた。
「できた!」
リーラヴがそう言ったとき、丁度オーキド博士が帰ってきた。
「あっオーキド博士!丁度ね~…ん?」
オーキド博士の腕にはマリルが抱かれていた。
「どうしたの?その子」
「帰る途中に見つけてな、ぽつんと岩の上に乗っかっておったんじゃ」
リーラヴはマリルに話しかけてみた。
「何かあったの?マリルちゃん」
『…』
返事は無かった。だがマリルはこちらをじっと見ている。
「大丈夫だよ。あたしポケモンが言ってることわかるから」
するとマリルはゆっくりと口を開けた。
『うちは…』
「何?」
『捨てられた…タスクに』
「え…?」
リーラヴは一瞬自分の耳を疑った。信じられなかった。
ふと、夕方にタスクを見つけたときのことを思い出した。
「じゃあ、あれは…まさか…」
―この子を捨てるとこだったんだ…―
「マリルちゃん…これからどうするの?」
リーラヴはショックを受けながらもそう言った。
『別に、そこらへんさまよい歩くだけ…。それとうちには一応名前があるわよ』
マリルは淡々と言った。
「名前?」
『…マリィ。それがうちの名前』―

「あんたは…マリィを捨てたトレーナー…」
リーラヴは目の前にいる5年ぶりに会った人を睨んでいた。
「…マリィ?…あ、あぁ。あのマリルのことですか?捨てたのは弱かったからですよ」
タスクはリーラヴとは対照的に笑顔だった。
「弱くない…」
「?何ですか?」
「マリィは弱くないよ!どんなに弱いポケモンだも絶対強くなれるんだから!」
タスクは疲れたようにハァーと息を吐いた。
「そこまで言うならバトルしましょうか?あなたのポケモンと」
その言葉にリーラヴはすぐ反応した。
「臨むところよ!」
もうリーラヴを止められるものはいなかった。
「じゃあ1対1でやりましょう。僕はムーンを出しますよ?」
リーラヴはその言葉を半分無視した。
「ちょっと待ってて!」
リーラヴは急いでポケモンセンターの中に入った。

数分後、リーラヴはポケモンセンターから出てきた。
「逃げたんじゃないかと思いましたよ。じゃあやりましょう。ムーン!」
タスクはさっき言ったとおり、ムーンを出した。
「あたしは…いっけぇ!」
リーラヴの持つボールから出てきたのはマリィだった。  

Posted by シェルテ at 18:58Comments(0)TrackBack(0)物語『Believe』

2008年12月29日

No.14 弱い子は捨てられる?

 ガヤガヤ この日のハナダシティは普段より人通りが激しかった。
コンテストを明日に控え、多くのトレーナー達が集結しているのだ。

「コンテストはハナダジムでやるんだってさ」
ロイヤの突然の言葉にリーラヴはつい「え?」と言ってしまった。
「それじゃあ明日はジムお休みってコト?」
「うん。そういうこと」
「じゃあ今日行かなきゃ!!」
リーラヴはジムに向かい走り出した。
「あ!ちょっと~待ってってば!今日もコンテストの準備があるからお休みなの!」
ロイヤはリーラヴの腕を掴んだ。
「え~!」
「とりあえずポケセン行こ?ね?」
リーラヴは不満そうな顔をしながらロイヤについて行った。

ポケモンセンターはたくさんのトレーナーでごった返していた。
「うわ…すごい人」
リーラヴたちは人を掻き分けながら前へ進んだ。すると突然、怒鳴り声が聞こえた。
「何だテメェ!やんのかコラァ!」
「急に大声出さないでください。僕はただ、あなたのポケモンは
 僕のポケモンの足元にも及ばない、と言っただけです」
言い争っているのはサングラスをかけてタバコをすっているガラの悪い男と
ロイヤと同じくらいの年の少年。
「くっオレのポケモンちゃんが弱いだと!?じゃあ戦ってみるかぁ?」
ポケモンセンターの中は気まずい雰囲気に包まれた。
しかし、誰もこの2人を止めようとはしない。
「いいですよ?そこまで言うなら」
少年と男はポケモンセンターの外に出た。
ポケモンセンターの中にいた人々はその戦いを見守っている。
リーラヴたちもそのバトルを見届けることにした。
「んー」
「どうしたの?リーラヴちゃん」
リーラヴは突然、頭を抱えた。
「なんか…あの人見たことあるようなきがするなーって」
「あの人って…どっち?」
リーラヴは少年のほうを指差した。
「でも…気のせいかなぁ…」
「ふ~ん…あ!始まるみたいよ!」

「僕から出しますね。ムーン!」
少年はブラッキーを出した。
「つぶしてやるぜ!やれ、キノガッサ!」
男はキノガッサを出した。
「へっ1分で終わらせてやるぜぇ!」
「そうですね。1分あれば十分あなたを倒せます」
男はその言葉にカチンときた。
「やってみやがれ!キノガッサ!マッハパンチ!」
 タタッ キノガッサはムーンに突っ込んでいった。
「ジャンプしてよけろ」
ムーンは高くジャンプした。キノガッサのこぶしは地面に突き刺さった。
「ひみつのちから」
ムーンはすぐに攻撃した。キノガッサはよけることが出来なかった。
キノガッサはふらついた。少年は密かに笑った。
「ムーン、ダークラッシュ」
(ダークラッシュ!?)
リーラヴには聞き覚えの無い技だった。
ムーンは全身の力を込めて、キノガッサに身体をぶつけた。
「あれじゃブラッキーまで傷付いちゃうじゃない!」
リーラヴはとっしんやじばくなどのポケモンが傷付く技は好きではない。
「キッ、キノガッサ!?」
キノガッサはバタリと倒れてしまった。ムーンは全然大丈夫のようだ。
本当にこの勝負は1分程度で勝負がついてしまったのであった。

「戻れ、ムーン」
少年はムーンをボールに戻した。そしてニコッと笑い、男に向かってこう言った。
「弱いですね。思ったとおりの結果でしたけど…ここまで弱いとは思いませんでしたよ。
 そんな弱い子、捨てることをオススメしますよ」
その言葉にリーラヴはムッとにた。
「世の中にはもっと強いポケモンがいますからね…そっちのほうがあなたのためですよ」
男は相当ショックを受けたようだった。
「それでは…」
少年はその場から立ち去ろうとした。

「待ちなさいよ!」
その声に周りにいた人たちはザワッとした。声を出したのはリーラヴだった。
リーラヴはツカツカと少年の近に行った。
『リ…リーラヴ?』
チコリータは心配そうにリーラヴを見つめていた。
「捨てるって何よ!自分で捕まえといて逃がすなんて…そんなの無責任すぎる!!」
リーラヴはいつもよりも高いトーンで叫んだ。
「…何ですか?あなたは…弱い子が捨てられるのは当然のことでしょう?」
リーラヴは我慢の限界だった。
「そんなことないわよ!あんたなんか―…え?」
リーラヴは何かを思い出したかのようにハッとした。
「リーラヴちゃん!?」
ロイヤが心配して駆け寄ってきた。
「あたし…この人知ってる…」
「え?」
「会ったこと…ある…」
リーラヴの 気がする は確信になっていた。
「何言ってるんですか?あなたと会ったことなんて―」
少年の言葉をリーラヴがさえぎった。
「タスクさん…ですね?」
リーラヴがそう言った瞬間、少年は少し驚いた。

―思い出した。5年ぐらい前にこの人と会った。
そしてあの日に、あの子と出会ったんだ―  

Posted by シェルテ at 23:02Comments(0)TrackBack(0)物語『Believe』

2008年12月29日

No.13 初ジムの行方は!?

「チコリータ!はっぱカッター!」
 シュッ
「よけろ!イワーク」
タケシはそう指示したが、あの巨大な身体で素早くよけるのは大変らしく
よけきることはできなかった。
「いいわよ!もう1回はっぱカッター」
「あなをほるだ!」
イワークは急いで穴を掘り地中に姿を消してしまった。
『えっ!どっどこ!?』
チコリータはキョロキョロし始めた。すると、チコリータの真下の地面にひびが入った。
「!チコリータ!下よ!」
『えっ!?』
 ドカッ イワークはチコリータの真下から現れ、チコリータを跳ね上げた。
さらにイワークはしっぽでチコリータにまきついた。
『うっ』
チコリータは動けなくなったばかりか、締め付けられてダメージを受けてしまった。
「チコリータ!」
リーラヴの顔はみるみる真っ青になっていった。
(どうしよう…このままじゃ負けちゃう!)

―く、苦しいよ…助けて…。もうダメ…動けない…負ける…
 …負ける? 私、自分からそう言った?ダメ…だよ…そんなの。
 変わらなきゃ。強くならなきゃ。あきらめたら、弱いままだよ。
 そんなのイヤだよ…こんなところで…負けられないの!―

チコリータは自分のどこかが動いた気がした。
「チコリータ!」
リーラヴに呼ばれて、チコリータは目を開けてみた。そこには1本の長いつるがあった。
『なっ何コレ!』
「何コレって…多分つるのムチだよ!」
そのつるはチコリータの身体から出ていた。
 ググッ
『うっ』
チコリータはさらに締め付けられた。
(早く抜け出さないと…そうだ!)
「チコリータ!つるのムチでイワークの目を塞いで!」
つるのムチはどんどん伸びてイワークの顔にぐるぐるとまきついた。
イワークはびっくりしてバランスを崩し、倒れこんでしまった。
するとチコリータにまきついていたしっぽの力がゆるんだ。
『それっ』
チコリータはその隙にしっぽから脱出した。
つるのムチはチコリータの身体の中に戻っていった。イワークはまだ倒れている。
「チコリータ、はっぱカッター!」
 シュッ イワークはその攻撃をよけることができなかった。

だいぶダメージは与えたものの、イワークは起き上がってきた。
チコリータもイワークもそろそろ限界である。
(次で…次で決めなきゃ!)
「イワーク!あなをほる」
イワークは地面に潜った。
「チコリータ!集中して、音を聞けばわかるわ!」
チコリータは静かに目を閉じて、集中した。
 ガガ イワークが地中を進む音が聞こえる。
 ガガッガガ…ゴゴッ 急に音が大きくなった。
―来る!!
 ガラガラガラッ イワークはチコリータの背後に地面を突き破って出てきた。
チコリータはすぐに気付き、くるっと身体の向きを変えた。
「はっぱカッター!」
「たいあたりだ!」
リーラヴとタケシが同時に言った。 シュッ ガガッ  ドカッ
はっぱカッターは命中した。が、チコリータはイワークのたいあたりを受けてしまった。
 ググッ 立ち上がろうとする2匹。 バタッ
イワークは力尽きて地面に倒れこんだ。リーラヴとチコリータの勝ちである。

「やったー!」
リーラヴの声がジム内に響く。リーラヴはとにかくうれしくて飛び上がった。
チコリータは自分が前より強くなっていることを実感した。
チコリータも泣きそうなほどうれしくなった。
するとタケシがリーラヴのところにやってきた。
「オレの負けだ。これを受け取ってくれ」
タケシが出したのはグレーバッジだった。
「あっありがとうございます!」
リーラヴはそのバッジを受け取った。

「よかったね!リーラヴちゃん」
ジムの外に出て、リーラヴはロイヤと話していた。
「うんっうれしいっ!」
リーラヴはバッジを見た。リーラヴにとって初めてのバッジはとてもきれいだった。
「そういえばさ…ロイヤは気付いてるの?ヒンバスのこと」
するとロイヤはクスッと笑った。
「もっちろん!わかってたからギャラドス出して応援してたんだもん!
 ヒンバスが頑張れるように~って!」
「そっか☆ありがとね」
「でもね~ギャラドスは気付いてないみたいなんだよね~」
2人はクスクスと笑いながらポケモンセンターに向かった。

その日の夜。ポケモンセンターにて…
「リーラヴちゃん。次どこ行くの?」
ロイヤはマップを見ながら言った。
「う~ん…。ハナダシティかな」
リーラヴはロイヤのマップを覗き込んだ。
「じゃあ、ちょうどいいね!」
「何が?」
ロイヤはニコッと笑った。
「フフ…明後日ハナダシティでコンテストがあるの」
「コンテスト!?出るの?ロイヤ」
リーラヴは少しびっくりしている。
「どうせ行くなら、出たほうがいいでしょ?」
「うん、そうだね。じゃ、次の目的地はハナダに決定!コンテスト見てみたいし!」
「今日は遅いからもう寝よ?」
ロイヤはあくびをしながらそう言った。

次はハナダシティ。リーラヴにはジム、ロイヤにはコンテストが待っている。  

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2008年11月24日

No.12 初挑戦!

 ゴクッ 
「いよいよだねっリーラヴちゃん!頑張って!」
「う…うん!」
おつきみ山から戻り再びニビシティ。
そしてリーラヴは今からニビジムに挑戦しようとしていた。

「じゃぁ、開けるよ…」
リーラヴは一度深呼吸をしてゆっくりと扉を開けた。
「すっすみませーん!ジムに挑戦しに来たんですが…」
リーラヴの声は緊張して震えていた。ジムは思ったより暗かった。
それでも岩があることには気付いたが…。 パッ 突然ジム内のライトのスイッチが入った。
それまで気付かなかったが、ジムの中央にはジムリーダーのタケシがいた。

「どっちが挑戦者だ?」
タケシの声はかなり低かった。
「あ、あたしです」
リーラヴはちょっとだけ手を上げて1歩前に出た。
「そうか、オレはここのジムリーダーのタケシだ」
「あたしはマサラタウンから来たリーラヴといいます」
タケシは少し黙り、また口を開けた。
「マサラタウン…どうやらジムは初めてのようだな…だからと言って手加減はしないぞ」
「は、はい!」

「リーラヴちゃん!リラックスよ。頑張って!応援してるから」
緊張して顔が引きつっているリーラヴにロイヤが声をかけた。
「が…頑張るよ」
ロイヤは観客席のほうに行った。
「バトルは2対2のシングルだ。まずオレから出そう…ゆけ!イシツブテ!」
(岩タイプか…)
「じゃあこっちは…ヒンバス!お願い!」
ヒンバスはこの間と同じように寝起きのような顔をしていた。
「ヒンバスか…だがヒンバスは進化しないと水タイプの技は覚えないぞ」
もちろんリーラヴもそのことは知っている。リーラヴはロイヤのほうをチラッと見た。
ロイヤはピィとギャラドスを出して一緒に応援している。
「ヒンバス!いつまでもそんな顔してないで…みんな応援してるんだから!」
リーラヴの声にヒンバスはハッとした。
そして応援してくれているギャラドスを見たとたんボッと顔が赤くなった。
(あ…やっぱりそうなんだ)

「イシツブテ、たいあたりだ!」
イシツブテはヒンバスに向かって突っ込んできた。ヒンバスはそれをなんなくよけた。
「こっちもたいあたり!」
ヒンバスはイシツブテの硬い身体に思いっきり身体をぶつけた。
さらにすぐにまたたいあたりをした。
(気合入ってるなぁ…汗)
「その調子よぉヒンバス!」
ヒンバスの目はメラメラと燃えていた。
『あの子の前で…カッコ悪いとこは見せられない…』
ヒンバスは誰にも聞こえないようにそう言った。
「イシツブテ、いわおとし」
どこからか数十個の岩が頭上に現れた。 ヒュッ そしてその岩がどんどん落ちてきた。
「ヒンバス!あぶないっ」
リーラヴは一瞬ヒヤッとしたが、ヒンバスは岩を確実によけていった。
しかし、その動きはタケシに読まれていた。

 ガッ
『うわぁっ』
ヒンバスは地中から突然現れた岩にはさまれて動けなくなった。
その技はがんせきふうじだった。ヒンバスの上からたくさんの岩が落ちてきた。
「ヒンバスー!」
効果はいまひとつ…とはいったものの、かなりのダメージを受けてしまった。
しかもこれでは攻撃をよけることができない。
「これで終わりだ。イシツブテ、たいあたり」
(マズイ!もうヒンバスはほとんど体力が残ってない!…あ!)
イシツブテはどんどん近づいてくる。10m…8、 5…
「ヒンバス!じたばた!」
それを聞いたヒンバスはすぐさま行動に移した。ヒンバスは無我夢中で
とにかくじたばたしまくった。 ビキィ すると岩にひびが入った。
「な、なにぃ!?」
 バキンッ そして岩は勢いよく割れた。
さらにそのじたばたにイシツブテを巻き込むこともできた。
 バタッ そしてイシツブテはそのまま倒れてしまった。
「ヤッタァ!」
リーラヴはガッツポーズをした。
「よくやったわ!ヒンバ―」
リーラヴがそう言いかけたとき、ヒンバスは倒れてしまった。
「十分ギャラドスにはアピールできたんじゃない?さっ、ゆっくり休んでね」
リーラヴはロイヤたちには聞こえないようにそう言い、ヒンバスをボールに戻した。

「勝負はまだこれからだぞ」
タケシもイシツブテを戻し、別のモンスターボールを出した。
「ゆけ!イワーク!」
ボールから現れたのは巨大なイワーク。リーラヴはチコリータを見た。
チコリータは何も言わず、コクリと頷いた。
「やるわよ!チコリータ!」
『うん!』
チコリータはリーラヴの前に立った。リーラヴから見てもイワークは巨大だ。
だが、チコリータにしてみればさらに巨大に見えるだろう。チコリータはゴクッと息を呑んだ。
チコリータVSイワーク
先に倒れたほうが負けである。  

Posted by シェルテ at 20:40Comments(0)TrackBack(0)物語『Believe』

2008年11月24日

No.11 ピッピたちを救え!

「えっギャラドス!?」
リーラヴは思ってもみなかったポケモンが出てきたのでびっくりした。
「ギャラドス!ピッピを助けるわよ!」
『わかったわ。ピッピさんたち、すぐ助けるから!』
「えっ」
ギャラドスから出た声はギャラドスとは思えないほど優しくて温かな声だった。

ギャラドスは網のほうに泳ぐように空中を進んだ。
「そうはさせねぇだぎゃ!行け!チャーレム!」
ガドは急いでモンスターボールを投げた。
『オレ様の出番か!?よっしゃ~!』
ガドはギャラドスを指差した。
「今日の敵はあいつだぎゃ!かみなりパンチだぎゃ!」
『おう!』
チャーレムの手に稲妻が走る。チャーレムはギャラドスに向かって走り出した。
「ギャラドス!たつまき!」
ギャラドスは急ブレーキをかけ、チャーレムの目の前に竜巻を起こした。
チャーレムは止まることが出来ず竜巻に突っ込んでいった。
『ぐえぇ!』
そしてチャーレムは空中に放り出されそのまま地面に落ちた。 ドンッ
「チャーレム!?無事だぎゃ?」
ガドは少しあせった。するとチャーレムはムクッと身体を起こした。
チャーレムは相当怒っているようだった。
『くっよくもこのオレ様をこんな無様な姿に…許せん…』

そのころリーラヴはロイヤに加勢しようと、ロイヤの元へ向かっていた。
しかし、そこにエアロが立ち塞がる。
「…」
エアロは無言のままモンスターボールを投げた。出てきたのはネイティオだった。
『ワタクシのデバンね…』
(ネイティオはたしかエスパー・飛行タイプ…草じゃ分が悪い)
「それなら…チコリータ!下がって!」
リーラヴはモンスターボールを出した。
「ヒンバス!」
出てきたヒンバスは寝起きのような顔をしていた。
『…え?戦うの?ボッ、ボクが!?』
(大丈夫かな…)
「うん。がんばって!ヒンバス!」

「みらいよち…」
エアロはボソッと言った。ネイティオは目をつぶった。
(何してるんだろ…でも今がチャンス!)
「ヒンバス!たいあたり!」
ヒンバスは尾びれで地面を蹴った。 ドカッ たいあたりは見事、命中した。
しかしネイティオはまだ大丈夫そうだ。
「つばさでうつ」
ネイティオは翼を広げ、ヒンバスのほうへ向かった。ヒンバスはそれをなんなくよけた。
ヒンバスはリーラヴが思っていたよりもずいぶん素早かった。普段のトロさが嘘のようだった。
「たいあたりよ!」
ヒンバスはネイティオに向かって突撃した。

一方、ロイヤは…
『くらえぇ!』
完全にキレたチャーレムはすごいスピードでギャラドスに向かった。
手にはさっき同様、いやさっきよりも強く稲妻が走っている。
ギャラドスは自分とチャーレムの間にいくつもの竜巻を作った。
『2度も同じ手にかかるかよ!』
チャーレムはそう言って竜巻をかわしながらギャラドスに近づいていった。
そしてついに追い詰められてしまった。
「ギャラドス!」
ロイヤが叫んだ。
『終わりだ!』
チャーレムは地面を強く踏みしめた。 ツルッ
『え!?』
チャーレムは足を滑らし、転んでしまった。それを見たロイヤはニヤリと笑った。
「ギャラドス、手加減しなくていいからね!全力でハイドロポンプ!」
『そうね…わかったわ。チャーレムさん。ごめんなさい!私、本気でやりますからね』
ギャラドスは少しためらってからそう言った。
 ドバァ ギャラドスの口から大量の水が発射された。
チャーレムはその水に当たってガドのほうへ飛んでいった。
「うわっこっち来るなだぎゃ―」
 ガンッ ドサ… チャーレムはガドとぶつかって気絶した。同じく、ガドも気絶した。

そのころリーラヴは…
「やっちゃえ!ヒンバス!」
しかしリーラヴは気付いていなかった。ネイティオが密かに笑みを浮かべたことに…。
 ドカッ 
『っ!』
「え!?」
ヒンバスはどこからか攻撃を受けた。
「…サイコキネシス」
『うわぁっ』
ヒンバスは衝撃波を受けたかのように後ろに飛ばされた。
『アナタにカチメはない』
ネイティオはそう言い放ち、再び翼を広げヒンバスに向かって来た。
(マズイ…ヒンバスはよけられる状態じゃない!)
「ギャラドス、ハイドロポンプ!」
不意に現れたギャラドスの攻撃をネイティオはギリギリよけた。
「ロイヤ!」
リーラヴはヒンバスの元へ駆け寄りながらそう言った。
「男のほうはなんとかしたわよ」
するとエアロはチッと舌打ちしてネイティオをボールに戻した。
2対1では勝てないと思ったのだろう。
エアロは気絶しているガドを引きずりながら去っていった。

「フー…ありがとロイヤ。助かったよ」
リーラヴは胸を撫で下ろした。
『大丈夫だった?ヒンバスくん?』
ギャラドスはヒンバスに近づいてそう言った。
『う、うん…ありがとう…』
ヒンバスは明らかに顔が赤くなっていた。
(あれ?これって…恋の始まりってやつ?)
リーラヴはクスッと笑った。

2人はピッピたちを網から出した。みんなホッとしているようだ。
すると2匹のピクシーが2人の元へやってきた。
『ありがとうございました。コレは私達からのお礼です。受け取ってください』
「ん?何?」
「お礼だってさ」
ピクシーの手に握られていたのは月の石だった。
「すごい!これが月の石…」
リーラヴもロイヤもうれしそうだった。
「あれ?」
ロイヤは自分の足元を見た。そこには小さくて可愛いピィがいた。
『フフ…あなたのことが気に入ったみたいですよ?よかったらその子も連れて行ってください』
1匹のピクシーがそう言った。リーラヴはロイヤのために通訳をした。
「あのね、その子、ロイヤのことが気に入ったみたいなの。
 よかったらその子を連れてってもいいよって言ってるの」
その言葉にロイヤは少し驚いた。
「えっ…ピィ、私と一緒に来る?」
ピィはコクリと頷いた。ロイヤはニコッと笑い、ピィを抱き上げた。
「行こっか!リーラヴちゃん!」
「うん!」
リーラヴたちはピッピたちにさよならを言って、このおつきみ山を去った。  

Posted by シェルテ at 20:39Comments(0)TrackBack(0)物語『Believe』

2008年11月09日

No.10 おつきみ山騒動

「ここがニビシティかぁ…」
2人は2番道路を越えニビシティにたどり着いた。

「リーラヴちゃんは初めてなの?」
「うん!よ~し、早速ジムに…」
リーラヴはやる気満々でジムに向かって走り出そうとした。
「ちょっと待って!ジムの前にポケセンに行かなきゃ!それに…」
「…それにぃ?」
「今日って月曜日だよね?」
リーラヴは首をかしげた。
「そうだけど…何かあるの?」
するとロイヤは町のガイドブックを出した。そしてページをパラパラとめくった。
「…あった、あった!ここ見て!」
ロイヤはガイドブックのあるページを指差した。そこにはおつきみ山について書かれていた。
「えっと…月曜日の夜におつきみ山に行くとピッピが現れる…だって!ね、行ってみない?」
リーラヴは少し考え込んだ。
「ん~ジムも早く行きたいし…でもピッピが出るのは月曜だけ…わかった!
なんか面白そうだし…おつきみ山行ってもいいよ♪」
「ホント?アリガト~行ってみたかったの、おつきみ山」
ロイヤはとてもうれしそうだった。

―夜―
「よ~し。おつきみ山にレッツゴー!!」
 テクテク 
「なんかさー…夜って昼と全然ちがうよね…」
ちなみにリーラヴは幽霊とかはダメなタイプである。
『昼と夜では出てくるポケモンも変わってくるしね…』
チコリータはリーラヴにビッタリくっついている。
「大丈夫よリーラヴちゃん。おばけなんていやしないんだから…」
ロイヤの声はかなり震えていた。

ビビリながらもなんとかおつきみ山についた一行。
『中は暗いみたいだね…』
チコリータは後退りした。
「リーラヴちゃん。懐中電灯持ってる?」
ロイヤはリュックの中をゴソゴソ探りながら言った。
「あ、そっか。あるよ。ロイヤは?」
リーラヴはすぐに懐中電灯を出した。
「あれ?絶対入れたのに…あった!」
ロイヤはリュックの奥から懐中電灯を引っ張り出した。2人はスイッチを入れた。
「じゃぁ行こっか!」

「うう…やっぱり懐中電灯の灯りだけじゃ暗いね…」
リーラヴはそう言いながらロイヤの後ろに移動した。
「ちょっ、どうして私を先頭にするのよ!」
「いいじゃん!ロイヤのほうが年上なんだし!」
2人とも必死である。
「もう…わかったわよ!」
ロイヤはそう叫んだ。
「行こ!リーラヴちゃん!」
人というのは怖いときにやたらとデカイ声を出すものである。
「…こう静かだと何か出てきそうだよね…」
リーラヴはキョロキョロしながら言った。
「そんな縁起でもないこと言わないで―」
 バサバサ
「ギヤァ!出たぁ!」
全員の声が洞窟内に響く。そして2人と1匹はすぐさまその場から立ち去った。
「ハァ、ハァ…何なの!?」
みんな全速力で走り続けたのでバテバテだった。
「び、びっくりした…ん?あれなんだろ」
リーラヴは光が差し込んでいる場所を指差した。
そこは天井に大きな穴が開いていてそこから月明かりが入っている。
そして広場のようになっていた。
「行ってみよう!」
すると…

『ピッピー』
たくさんのピッピたちがどこからともなく現れた。よく見るとピィやピクシーもいる。
そしてピッピたちはみんなでダンスを踊り始めた。
リーラヴたちは邪魔をしてはいけないと思い、遠くから眺めていた。
「すごいね…」
「うん。それに…みんな幸せそう」
リーラヴたちは自然と笑っていた。
「そうだね。みんな楽しそう―」
 バシュッ 
『ピ!?』
突然、上のほうからピッピたちに向かって網が放たれた。
そしてピッピたちはみんな1つの大きな網の中に入ってしまった。
「え?」
「何なの?」
リーラヴたちは突然の出来事に理解できなかった。すると2人の男女が現れた。

「ハッハッ見ろよ!エアロ!大漁だぎゃ!」
男は網をバシバシ叩きながらそう言った。その男は色黒で筋肉質な身体をしており
身長は2メートルほどありそうだった。
「…即帰」
“エアロ”らしき人物は静かにそう言った。そのエアロという女は男とは対照的で
色白で手足も細かった。2人ともリーラヴたちには気付いていないようだ。
「ん?まぁ、そうだぎゃ。こんなとこ別に用はないだぎゃ。さっさと帰るだぎゃ」
そして2人はピッピたちを連れて出口のほうへ向かおうとした。
 ザッ かげで隠れていたリーラヴたちはピッピたちを助けようと2人の前に立ちふさがった。

「何してんのよ!」
ロイヤが叫んだ。
「なんだぎゃぁ?お前ら?何してるって…こいつら連れてって―」
 ドス 男が続きを言おうとした瞬間、エアロが男の腹に本気でキックをした。
「いってぇ!蹴るこたないだぎゃ!エアロ」
「黙、ガド…秘密事項」
男のほうはガドという名前らしい。
「おれたちゃロケット団だぎゃ!おれはガド。こっちの無口はエアロってやつだぎゃ」
 ドスッ エアロはまたガドの腹を蹴った。
「ぐふっ」

相手が勝手に自己紹介しているころリーラヴたちは作戦を立てていた。
「まぁ、以後お見知りおきをってとこだぎゃ!」
「チコリータ!はっぱカッター!」
『えいっ!』
チコリータのはっぱカッターは網に向かっていく。
「なんだぎゃ!?いきなりなんてズルイだぎゃ!」
 キンッ はっぱカッターは網に当たったが弾かれてしまった。
「ギャハハ!そんなはっぱごときじゃこの網は破れないんだぎゃ!」
その言葉にリーラヴもチコリータもムッとしたがどうにか落ち着かせた。
(ロイヤ…後は頼んだわよ)
「フフ…じゃあこれでどう!」
ロイヤはそう言ってモンスターボールを投げた。
「行っけぇ!」
ロイヤのモンスターボールから出てきたのはとても強そうなギャラドスだった。  

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2008年11月09日

No.9 新しい仲間

『そんなこと言って結局は逃がすんだろう?』
リーラヴは困惑した。
「リーラヴちゃん?」
ロイヤは心配そうな顔でリーラヴを見た。
『もうわかりきったことなんだ…』
ヒンバスは暗い声でそう言い、川へ戻ろうとした。
「待って!」
リーラヴは叫んだ。
「誰もゲットしないって言うならあたしがゲットする!」
ヒンバスはびっくりしてリーラヴを見た。
『何だって!?』
「一生懸命育てる!だからっ…」
リーラヴはヒンバスに一歩一歩近づいていった。
そしてヒンバスのそばまで行って姿勢を低くした。
『…っでもっボクみたいなノロい奴強くなれるわけないだろ?それで結局は捨てられるんだ…』
「そんなっ―」
リーラヴが言葉を言いかけた、そのときだった。

 ドカッ チコリータがヒンバスにたいあたりをした。
「えっチッチコリータ!?」
「何が起こってるの!?」
リーラヴはかなりあせった。ロイヤは訳がわからずつっ立っている。
『なっいきなり何するんだよ!』
『ヒンバスくん…あきらめないでよっ強くなれないなんて言わないで!』
チコリータは必死だった。
『ヒンバスくんは今、自分からチャンスを遠ざけてる!
そんなんでゲットされるわけないじゃない!』
ヒンバスはムッとした。
『きみは強いし、ゲットされてるからそう言えるんだろ?』
『え!?私が…強い…?』
チコリータは目が点になっている。
「ヒンバス、チコリータはいじめられてたんだよ?」
『え!?』
『うん…。いじめられてた。それにヒンバスくんみたいに誰からも選んでもらえなかった…
 でもリーラヴは私と同じ痛みを知ってて…それにいっしょに強くなろうって言ってくれた…』
ヒンバスは黙って顔を上げてリーラヴを見た。

『…ボクも…強くなれる…?』
リーラヴはニコッと笑った。
「うんっきっと…いや、絶対!」
ヒンバスは少しの間黙った。かすかにヒンバスが笑った様に見えた。
『ボク…きみについていくよ』
「ホントに!?」
ヒンバスはゆっくりうなずいた。リーラヴはリュックからモンスターボールを出して
ヒンバスの近くに置いた。ヒンバスはヒレでつんとボールに触れた。
ヒンバスはボールの中に入っていった。リーラヴはボールを手に取りこう言った。
「いっしょに…強くなろうね!」

「一緒に行くことになったんだ?ヒンバスくん」
ロイヤには何が起こったか理解できなかった。
「うん。ロイヤのおかげ」
「え?私何もしてないじゃん。何がなんだかわからないし…」
ロイヤは首をかしげながら言った。
「だってロイヤがいなかったらヒンバスに会えなかったよ?」
リーラヴは笑いながらそう言った。ロイヤもそれにつられるように笑った。
「まぁ…そうなるわね」

「ねぇ、ロイヤはこれからどうするの?」
「んー…どうするって言われても…まぁ一応ポケモンコーディネーター目指して
 修行中なんだけど…カントーに来たのには別の理由があるのよね」
「別の理由…?」
するとロイヤは空を見上げた。リーラヴたちの上には果てしない青空が広がっている。
「人を探してるの…」
「…?誰を?」
そう言いながらリーラヴも空を見上げた。
「…友達…旅に出ててどこにいるかわからないんだ。ちょっと心配でさ…
 あいつ不器用だし、人付き合い悪いし、考えなしにどんどんつっこんでいっちゃうし…」
「アハハ…なんか悪口ばっかじゃん。でもそういうのを個性って
 言うんじゃない?その性格面白いねぇ!」
するとロイヤはすぐに反論した。
「面白くなんかないよっ危なっかしい!だいたいそいつ男だし!
 昔は私のほうがバトルとか強かったのに…今じゃ…私はそいつの足元にも及ばない…」
ロイヤは下を向いた。
「バトルでは敵わないからコーディネーターを目指すことにしたんだ。
 でもまぁ、あいつに芸術がわかるとは思えないけど」
「…ロイヤってさ、その人のこと好きなの?」
「はぁ!?」
ロイヤの顔は一瞬で赤くなった。
「何言ってるの!?そんなわけないでしょ!」
リーラヴはクスクス笑いながら言った。
「顔赤くなってるよ」
「えっ!?いや…ホントにそんなんじゃなくて…ね?」
ロイヤはあせりながら言った。リーラヴはロイヤの顔をじーっと見た。
「ホントに~?」
「ホントだってばぁ…」

「ねぇ、リーラヴちゃん。リーラヴちゃんはジム回ってるんでしょ?」
「うん。その予定…何でそんなこと聞くの?」
リーラヴはロイヤのほうを見た。
「いっしょに旅しない?旅は大勢のほうが楽しいでしょ?」
ロイヤはニッコリ笑って言った。
「いっしょに?うん…いいよ!そうしよ!」
「よかった!これからもよろしくね。リーラヴちゃん」
ロイヤはリーラヴのほうに手を出した。
「うん。こちらこそ♪」
リーラヴも同じように手を出した。2人はギュッと握手をした。

「見つかるといいね。その人」
リーラヴは笑顔でロイヤを覗き込むように見ながら言った。ロイヤもニコッと笑った。
「うん。大丈夫。きっと見つかる…風が導いてくれる…」
そよ風に吹かれながらリーラヴとロイヤ、そしてチコリータは最初のジムがある
ニビシティへ向かって歩き出したのである。  

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2008年09月19日

No.8 静かな川の孤独なポケモン

「ハァ…」
ここはトキワシティの近くにある静かな川。リーラヴはそこで釣りをしていた。

『釣れないねぇ…』
チコリータはつまらなそうな顔をしているリーラヴに話しかけた。
「一度釣りをやってみたいなぁって思ってたんだけど…」
そう言いながらリーラヴは釣竿を引き上げた。しかしそこにエサはなかった。
『また知らない間に食べられちゃったの?』
「だろうね」
リーラヴは新しいエサをつけて釣竿を ぶん と振った。 ポチャン 
ちなみに釣りを始めてからもう3時間は経っている。

「…」
『…』
「あー…もう!なんかイラつく!話しようよ、うん」
と、リーラヴは叫んだ。
『そうだね。…そういえばあのたまご、中身なんなんだろう』
それを聞いたリーラヴはリュックからたまごを出した。そのたまごの模様は…
太陽や雲、雷、風とかのマークみたいなものだった。
「ホントになんなんだろ…」
リーラヴはたまごを見つめた。そのたまごはたまに少しだけど動いている…
ような気がした。そしてリーラヴはニコッと笑って
「早く産まれてこないかな♪」
と言った。

「あ!」
リーラヴたちの後ろのほうで声がした。リーラヴとチコリータはびっくりして
反射的に後ろを向いた。そこには15歳くらいの少女がいた。
その少女は黒髪でここらへんでは見ないような服を着ていた。それだけでも珍しいのに
少女の目は明るくて透き通ったきれいな赤色だった。そんな色の目を持つ人は初めて見た。
「あの…隣座ってもいい?そこよく釣れるんだ♪」
少女はリーラヴに話しかけた。
(よく釣れる…?全然釣れないんだけどなぁ)
リーラヴは首をかしげながら
「うん。いいよ」
と言った。少女はリーラヴの隣に座って釣りの道具を出した。
リーラヴのと違って本格的で高そうなものだった。
「ごめんねっ急に。私、この場所気に入ってて…」
少女は釣りの準備をしながらそう言った。
「いいよ、全然…あ、あたしね、リーラヴっていうの」
話題を無くしたリーラヴは慌てて言った。
「ふ~ん。私はロイヤ!よろしくねっリーラヴちゃん」
ロイヤはニコッと笑った。

ロイヤは慣れた手つきで釣りをし始めた。すると10分後にコイキングが1匹釣れた。
まぁロイヤはたんに釣りを楽しんでいるだけなので釣れてもすぐ逃がしてしまうが。
「…あの…ロイヤさん…あたしに釣りを教えてください!」
リーラヴは思いっきり言った。ロイヤはクスッと笑った。
「いいよっ教えてあげる!あと呼び捨てでいいからね」
ロイヤはリーラヴのバケツを見ながら言った。当然ながらバケツには水しか入っていない。

1時間後…。 ポチャン
「そうそう!いい感じよ。リーラヴちゃん!あとはかかるのを待つだけ」
「うん!ありがとう、ロイヤ!」
そのころチコリータは居眠りをしていた。
「釣りをしているときはなるべく静かにして集中するの。そうすればそのうち…―あ!」
ロイヤは釣竿を指差した。釣竿の糸がピクピク動いていた。
 グイ 急に釣竿が水中へ引っ張られた。
「うわっ!?」
「かかったのよ!糸引いて!」
リーラヴは慌てて釣竿を引っ張った。
「チコリータ!起きてよ!」
リーラヴは叫んだ。チコリータは バッ と体を起こした。
『えっ何!?かかったの?すごい!』
「うん…それっ!!」
リーラヴは釣竿を思いっきり引っ張った。 バシャァ 水中からポケモンが現れた。

「ヒンバスだわ!ここらへんじゃよく釣れるけど…」
ロイヤは即座に言った。そこにはいかにもノロそうなヒンバスがいた。
そのヒンバスはゆっくりと顔を上げリーラヴたちを見た。
『また釣られちゃった…』
「?」
「どうしたの?リーラヴちゃん?」
少し戸惑っているリーラヴにロイヤが聞いた。
「…また…?」
ヒンバスは悲しそうな目でリーラヴたちを見ている。
『どうせボクなんて相手にしないんだろうな。トレーナーはみんなそうだ。
ここじゃヒンバスなんてたくさんいるからいらないって…』
「…このヒンバス…オスかな…」
リーラヴが呟いた。
「どうしてわかるの?」
ロイヤは不思議そうな顔をしている。
「なんとなく。それにボクって言ってるし…」
「え!?」
ロイヤは驚いた顔をしてリーラヴを見た。
「…どうしたの?…あ、あたしポケモンの言葉がわかるのっ」
ロイヤが驚いた理由がやっとわかったリーラヴは慌てて言った。
「ポケモンの言葉が!?すごい!じゃぁあのヒンバス君はなんて言ってるの?」
ロイヤはヒンバスを指差した。
「…ボクは相手にされない…って」
『きみ…ボクの言葉がわかるの?』
2人の会話を聞いていたヒンバスはこっちに近づきながら(ぴちぴちとはねながら)そう言った。
「うん…釣られてもゲットされないから寂しかったんだね…」
リーラヴは静かにそう言った。
『…きみはどうなの?』
「えっ!?」
『きみはボクをゲットするっていうのかい?』
ヒンバスはリーラヴを見つめた。その目は人間を信用していない目だった。  

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2008年09月19日

No.7 旅立ちの日

 ガチャ オーキド研究所の扉が開いた。
「ん?何だろ…?」
リーラヴとオーキド博士はその音に気付き、玄関に行った。そこにいたのは…
「チコリータ!…とマリィ!」
『リーラヴ…』
チコリータは何を言えばいいのかわからなかった。
「チコリータ!帰ってきてくれたのね!」
リーラヴはそう言ってチコリータをギューっと抱きしめた。チコリータの顔が明るくなった。
『あの~お取り込み中悪いんだけどぉ、おまけみたいな言い方やめてくれる~?』
マリィは不満そうな顔をしてリーラヴに言った。
「アハハ…ごめん☆」
リーラヴは笑いながら言った。

「さてと、チコリータ!もう旅の準備は出来てるんだ!!」
リーラヴはチコリータが帰ってきたらすぐに出れるように準備をしていたのだ。
「行こ!チコリータ!」
リーラヴは早く行きたいようだ。
『ちょっと待って』
そんなリーラヴをマリィが引き留めた。そしてくるっと半回転し、チコリータを見た。
『チコリータ。もう1度勝負しない?今度は本気でさ』
『えっ!?』
「うん。そうだね」
リーラヴは強気な顔をしてそう言った。しかしチコリータは逆だった。
『そっそんなっ私…』
チコリータは一瞬断ろうとした。でも断れなかった。逃げたくなかったから。
『…私…やる。…絶対マリィさんに勝つ!』
「そうと決まれば…早速!」
リーラヴたちは外に出た。

「よし。チコリータVSマリィ!スタートじゃ!」
オーキド博士が大声を上げた。

マリィがみずでっぽうを発射した。
「チコリータ!よけて!」
 タッ チコリータはみずでっぽうをよけた。どうやら前のバトルで
マリィの攻撃が直線的だということに気付いたらしい。
『じゃぁこれをよけれるかしら!?』
マリィから冷気が発せられた。
「冷凍ビーム!?チコリータ!気をつけて!」
マリィの冷凍ビームが強力だということはオニスズメの件で十分わかっていた。
チコリータは息を飲んだ。 カッ 冷凍ビームが発射された。
チコリータは地面に這いつくばって、ギリギリのところでよけた。
「フー。危なかった」
しかしすぐにマリィが攻撃してきた。マリィのしっぽが光り、硬質化した。
「アイアンテール!?」
マリィはそのしっぽをブンと振り下ろした。チコリータは反応できなかった。 ドーン
『きゃあっ』
チコリータは攻撃をまともに受けてしまった。マリィはすぐに冷凍ビームの準備をした。
(まずい…今、冷凍ビームが当たったら…!)
しかしチコリータはまだ体勢が整っていない。
発射。冷凍ビームはまっすぐチコリータへ向かっていく。

どうしよう…。よけないと…。でも、体が…動かないよ…。私…やっぱりダメなのかな…。
だんだん冷気が強くなってくる…。でも…勝ちたい…。変わりたい。
強く…強くなりたいっ!!
「チコリータ!!」

冷凍ビームはチコリータがいるところを通過した。そこにチコリータの姿はなかった。
 シュッ チコリータがマリィの後ろから攻撃した。チコリータはほぼ一瞬で
マリィの後ろに移動していたのだ。
「これは…でんこうせっか?」
それだけではなかった。チコリータはマリィに直接攻撃はしていなかった。
(これは…?)
リーラヴの足元にはっぱが落ちていた。それはここらへんの植物にはないはっぱだった。
「もしかして…はっぱカッター?」
リーラヴはチコリータを見た。チコリータはパチンとウインクした。
「チコリータ…」
そう、チコリータはでんこうせっかとはっぱカッターを使えるようになったのだ。

『まだ…勝負はついてないわよ!』
マリィはハァハァ言いながらそう言った。効果抜群の技を不意に受けたためか
相当ダメージがあったようだ。マリィは丸くなった。
「!!チコリータ!ころがるだわ!」
リーラヴが叫んだ。リーラヴが言ったとおりマリィはころがるを使ってきた。
「チコリータ!はっぱカッター!」
 シュッ しかし攻撃ははずれた。
(ころがるのスピードが速くて攻撃が当たらない…それなら!)
「チコリータ!でんこうせっかで反対側へ!」
『わかった』
 タッ チコリータはマリィの後ろに回った。
(あのスピードだとそう簡単には方向転換できないハズ!)
リーラヴの読みどうり、マリィは方向転換に手間取った。
「今よ!はっぱカッター!!」
『いっけぇ!!』
 シュッ はっぱカッターはマリィの体に当たった。回転が徐々に弱まっていった。
 バタッ
『ふえぇ~目が回るぅ~』
マリィはそのまま気絶した。

『うあぁ~?』
しばらくしてマリィは目を覚ました。
「マリィ!大丈夫?」
『うん』
マリィは体を起こした。
『あ~あ、負けちゃったぁ。うちもまだまだだね…チコリータ、あんたはよくやったよ』
『えっ』
チコリータは顔が赤くなった。
『もっと自信持っていいんだよ。あんたなら強くなれる…そんな気がする』
『マリィさん…ありがとう』

「バトルもしたことだし、そろそろ行こっか。チコリータ」
『うん。そうだね。…あれ?あのおじいさん(オーキド博士)は…?』
みんなは周りを見回した。しかしオーキド博士の姿はなかった。
するとオーキド博士がドタドタと急いでやってきた。
「リーラヴ君!これを…」
オーキド博士は赤くて四角いものを出した。
「あ!これ、ポケモン図鑑だぁ!」
リーラヴはそれを手にした。
「トレーナーには必要なものじゃろ?」
「うん!」
リーラヴはうれしそうに言った。
「あと…これも持っていってくれ」
オーキド博士は丸いものを出した。それはあの、リーラヴがキャッチしたポケモンの卵だった。
「えっ!?いいの?研究に使うんでしょ?」
「まだ2個ある。それにこれはリーラヴ君がいなかったら割れていたかもしれんしな。
だから…リーラヴ君、きみが持っていてくれ」
リーラヴは卵を受け取った。
「ありがと。オーキド博士!…じゃ、行ってきまーす!!」

リーラヴはうれしそうに扉を開けた。ポケモンマスターへの道の
第一歩を今、歩みだしたのである。
リーラヴとチコリータ。1人と1匹は決意した。ともに強くなることを。
それを信じ、努力し続けることを誓い、旅立ったのである。  

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2008年09月08日

No.6 信じること

翌日。
「リーラヴ君、どうするんだ?待つのか?それとも…」
オーキド博士は心配そうに言った。しかしリーラヴはどうするかしっかり決めていた。
「待つよ。帰ってくるのを」
リーラヴは静かに言った。
「そうか…しかし…」
オーキド博士はコホンと咳払いをし
「帰ってくるのかわからんのじゃぞ」
と言った。リーラヴはオーキド博士の方を見た。
「帰ってくる。きっと…ううん、絶対!…あたしね、あの子となら強くなれる気がしたの」
オーキド博士は何も言わなかった。
「リーラヴがしたいようにすればいい」
そう言ってオーキド博士はいつものように研究所のポケモンたちを見て回りに行った。

一方、チコリータは…
『きゃあ』
チコリータはオニスズメたちに追われていた。
『勝手に俺たちの巣に入りやがって!』
『知らなかったの!だからっ…』
チコリータは走りながら必死に抗議した。しかしオニスズメたちは頭に血が上り、
チコリータの声が全く聞こえていなかった。
『わっ』
チコリータは木の根っこに足を引っ掛けて転んでしまった。オニスズメが一斉に襲い掛かる。
チコリータはもうダメ、と思い、目をぎゅっとつぶった。そのときだった…。
 ビシャアァ オニスズメたちに大量の水がかかった。
『なんだっ!?』
そこには…マリィがいた。
『なんだかんだと言われたら答えてあげるが世の情け!マリィ!』(パクリやん!?)
かっこよく登場したつもりのマリィはいい気になって叫んだ。
『弱いものいじめはそこまでっ!この正義の味方、マリィ様が来たからには…』
すると1匹のオニスズメがマリィを思いっきりつついた。マリィはお空へ飛ばされた。
 ボテッ マリィが落ちた。
『まだセリフの途中だったのに…貴様ら…許さないんだから!』
マリィはキッとオニスズメたちを睨みつけた。そしてマリィは口をめいっぱい開けた。
そこから冷気を帯びた光線が発射された。
オニスズメたちは『げっ』っと言って逃げようとした。しかしすぐに追いつかれた。
『ヒィッつめ…』
オニスズメたちは氷付けになり、動かなくなった。

マリィはフンッと鼻を鳴らしてチコリータの方へ行った。
『大丈夫?』
チコリータはマリィのほうを見た。
『うん…どうしてここに…?』
『ちょぉっと散歩~♪フッ今の戦い、タスクのやつに見せてやりたかったな~』
チコリータの周りに?が飛び出た。
『たすく?たすくって?』
『あ~タスクっていうのは…うちのトレーナーだった人』
チコリータの周りの?が1つ増えた。
『だった?それって…まさか…』
『ソッ捨てられたの。そいつに』
チコリータは目をまんまるに開いた。
『そんな…どうして?そんなに強いのに…』
それを聞いたマリィはクスッと笑った。
『うち、昔メッチャ弱かったモン。野生のコイキングにすら勝てなかったし』
『えっ!?うそっ』
『うそじゃないよ~。強くなったのは捨てられたアトだし』
チコリータは愕然としていた。
『でも…どうやったらそんなに強く…』
これがチコリータの1番聞きたいことだった。マリィはしっかりとした口調でこう言った。
『信じて努力した。ただそれだけ』
その言葉がどれだけチコリータに勇気を与えたことか…。
その言葉はチコリータの心に強く響いた。

それだけ…?ほんとに?
あたしにだってコイキングを倒す自信くらいはある。でもマリィさんは倒せなかった…昔は。
でも今はこんなに強くなって私の目の前にいる。これはほんとのこと?うそじゃなくて…?
でもね、なんでかわからないけどマリィさんがうそついてるとは思えないの。どうしてかな?

『最初はさ、うちなんかが強くなれるかって思ってたんだ。でもじぃさん(オーキド博士)が
 “ポケモンには無限の可能性がある”って言ってくれたんだ。こんなうちを
 拾ってくれたじぃさんにしてあげられることは強くなることだけだった。うちにとって、
 じぃさんは大切な存在なんだ。じぃさんのためにも…強くなりたかったんだ』
話を終えたマリィはチコリータをチラッと見た。
『ちょっチコリータ!?どうしたの!?』
マリィはかなりあせった。チコリータは涙を浮かべていた。
『感動しちゃって』
『こんな話にぃ?涙もろいんだね~』
マリィはフーと息を吐いた。

そしてチコリータは涙を拭き、こう言った。
『私…やっぱり強くなりたい。…私…』
『リーラヴと旅に出る?』
マリィはチコリータの言葉をさえぎるように言った。
『でも…もういないんじゃないの?』
チコリータは下を向いた。
『あんなこと言っちゃったし…』
マリィはクスッと笑った。
『リーラヴ、チコリータが帰ってくるのを待つって言ってたよ?』
チコリータはパッと顔を上げて、マリィのほうを見た。
『帰る?チコリータ』
『うん!』
2匹はオーキド研究所に向かって歩き出した。

チコリータは決心した。
強くなる。私のためにも。そして、リーラヴのためにも。
信じて努力する…ただそれだけ。  

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2008年09月08日

No.5 初バトル

『行くわよ!』
マリィはチコリータにたいあたりをしてきた。
「チコリータ!よけて!」
『わっ』
チコリータは慌てて攻撃をよけた。
『よけられたか…これならどう!?』
マリィは口を開けた。マリィが使える技をほとんど知っているリーラヴはすぐにわかった。
「みずでっぽうが来るわ!」
マリィの口から水が勢いよく飛び出し、チコリータへ向かって行った。
「チコリータ!」
『きゃぁ!』
チコリータは怖がってすぐに後ろを向いて走り出した。
「!後ろじゃなくて横によけ―」
しかし水はすぐにチコリータに追いついた。しかも急所に当たってしまった。
「チコリータ!大丈夫!?」
『う…なんとか…』
すると休む暇もなくマリィがたいあたりをしてきた。
『わぁ!』
チコリータはその攻撃をよけた。
「チコリータ!こっちもたいあたりよ!」
『うんっ!とりゃぁ!!』
チコリータは全身の力を込めてたいあたりした。
しかしマリィはでんこうせっかでそれをなんなく回避した。
『うわあぁぁ』
チコリータはそのままの勢いで地面に突撃した。 ガンッ バタ…
「チコリータ!?」
『も…もうダメ…』
チコリータは気絶した。

「…ータ…」 あれ…何か聞こえる…。
「…チコ…」 私を呼んでる…?
「チコリータ!!」『うわぁっ!?』
チコリータが目を覚ましたとき、目の前にはリーラヴの顔があった。
「よかった~。やっと気がついた。大丈夫?チコリータ」
『う…うん。私どれぐらい寝てたの?』
リーラヴは時計を見た。
「う~ん。2時間ぐらいかな?」
『2時間!?』
たしかに時計を見ると12時ぐらいだったのが14時になっている。

「残念だったね↓でも初めてなんだし…次があるよっ」
リーラヴはニッコリ笑った。
しかしチコリータは黙って下を向いた。
「…チコリータ…?」
リーラヴの顔が心配そうな顔になった。
『ホントに…』
「え?」
『ホントに私なんかが強くなれるの!?』
チコリータは叫んだ。
『全く攻撃が当てられなかった!しかも地面にぶつかって気絶だなんて…
 それに!相性的には私のほうが有利なんだよ!?それなのに…』
 ポタッ チコリータは涙を流していた。
「チコリータ…」
リーラヴは何て言ってあげればいいのかわからなかった。
するとチコリータはくるっと後ろを向き、トボトボ歩き出した。
「どこ行くの!?」
チコリータは暗い声で答えた。
『出てく…』
「えっ!?」
リーラヴはすぐに止めようとした。しかしチコリータはリーラヴを振り切り、
玄関まで行った。そして力の限り叫んだ。
『もういいよ!私にかまわないで!ここにはいっぱい私なんかより強いポケモンがいるでしょ!?
 私なんかほっといて他のポケモンと旅すればいいのよ!!』
「そんなっチコリータは強くなりたいんでしょ!?」
『どうせ強くなれないよ!それなら誰にも迷惑かけないように出てくんだから!』
チコリータはそう言い残して走り去って行った。
「チコリータ…!」
リーラヴはそう叫んだ。でも追いかけようとはしなかった。

どうして追いかけなかったんだろう。自分でもわからない…。
チコリータが去った後、リーラヴはずっと自分の部屋の窓から外を見ていた。
チコリータが帰ってくるのを待った。

『ハァハァ…』
町の外までずっと走っていたチコリータはさすがに息が切れていた。
しかも、この日はカンカンに晴れていた。まるで日本晴れを使ったときみたいに。
チコリータの体からは汗が滝のように溢れ出た。
チコリータは近くにあった大きな木の下で休むことにした。
『これからどうしよう…』
どこか寝床を探さなくちゃ…。どこがいいのかな…洞窟とか?
ううん…洞窟には絶対ポケモンがいる。ポケモンがいないところ。人間もいないところ。
誰にも迷惑をかけない場所。誰もいない、孤独な場所。

その日の夜。チコリータは結局その木の下で寝ることにした。
しかし、昼間のあの暑さとは対照にこの夜はとても冷えた。温室育ちのチコリータに寒さが襲った。
『寒いよぉ…』
チコリータは力なく言った。そして空を見上げた。
そこにはまんまるで大きな月と今にも消えそうな光を放つ星たちがあった。

そういえば、リーラヴの手は温かかったな。手だけじゃない…心も…。
チコリータはそう思った。  

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2008年09月08日

No.4 旅立つ前に

リーラヴとチコリータはオーキド研究所に向かっている。
『ねぇ、その研究所に行ったらどうするの?』
「う~ん。旅の準備しなきゃね~。…あ、そうだ!
 ちょっと特訓してかない?ポケモンたくさんいるし」
『特訓?別にいいけど』
「よ~し。じゃあ決まり!」
そう話している内にマサラタウンに着いた1人と1匹。

リーラヴたちは研究所に入った。
『わぁ…広い』
チコリータは驚いているようだ。
「あっオーキド博士!」
リーラヴは走ってオーキド博士のところに行った。チコリータはすぐにリーラヴを追った。

オーキド博士は手に3つの丸いものを持っていた。
「おお!リーラヴ君か」
オーキド博士がリーラヴのほうを向いた。そのときだった。
1つの丸いものがオーキド博士の手から転げ落ちた。
「あっ!!」
リーラヴは地面すれすれでそれをキャッチした。
『ナイスキャッチ!』
でも体制を崩してドテッと転んでしまった。
「いったぁ~」
「大丈夫かっ!?リーラヴ君」
「うん。大丈夫だよ…博士、コレ何?」
リーラヴは今キャッチした丸いものを見て言った。
「おぉ。コレは卵じゃ。ポケモンのな」
「えっ!?」
『ポケモンの!?』
リーラヴもチコリータもびっくりしている。
「いつものように研究所のポケモンたちを見て回っておったらな、それが落ちていたのじゃ。
しかも3つあったんじゃよ」
「へぇ~何のポケモンが産まれるの?」
その質問にオーキド博士はため息をついた。
「それがわからないんじゃよ」
リーラヴはキョトンとした。たしかにオーキド博士はポケモンの研究より
川柳のほうが有名だが今までリーラヴが聞いて答えが返ってこなかったことはなかった。
(オーキド博士にもわからないことがあるんだ…)
「それより、さっきは卵を落とさずに済んでよかったの…」
「割れちゃうかもしれないもんね…ハイ、どうぞ」
リーラヴはオーキド博士に卵を渡した。

「ところでそのチコリータはどうしたんじゃ?…あ、学校でもらえるんじゃったな」
「うん。この子と旅することにしたの」
「そうか…で、すぐに出るのか?」
リーラヴは首を振った。
「ううん。まだ全然準備してないの。それに少しトレーニングしてから
 行こうかな~って思ってるの」
オーキド博士はうん、うんとうなずいていた。
「それはいい考えじゃな。そうするといい」
「うん。チコリータ!早速トレーニング開始よ!」
『うん!』
リーラヴとチコリータは走ってオーキド研究所の庭(?)に行った。

「さてと、やっぱり1番いいのはポケモン同士バトルすることだと思うんだよね~。
 …相手になれそうなポケモンいるかな~」
リーラヴは辺りを見回した。
「あ!マリィ!」
リーラヴは池のほうを見て言った。そこにいたのはマリルだった。
『リーラヴ!どうしたの?』
マリィはリーラヴたちのほうに歩いて来た。
「あのねマリィ。ちょっと相手してほしいの。今からこの子のトレーニングするの」
『そっか、いいよ。退屈してたとこだし。はじめまして、チコリータ!
うちはマリルのマリィ。よろしくね』
『よろしく…』
チコリータは少し顔が赤くなっていた。
(こういうのあんまり慣れてないんだな…)
「じゃあ、早速始めよっか!マリィ、チコリータはバトル初めてだから手加減してよ」
『はいはい…あ、チコリータはどんな技使えんの?』
『え!?あ…実はたいあたりとなきごえしか使えないの…』
『えっ!?』「えっ!?」
マリィとリーラヴは同時に声を出した。
『ごめんなさい…』
リーラヴは慌ててフォローした。
「いいのいいの!これから強くなれればいいんだからさ!」
マリィもフォローに回った。
『そうよ!これからこれから!』
『うん…』
「さっ始めよっ!」  

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2008年06月26日

No.3 運命の出会い

研究所に帰ってからもずっと考え込んでいた。でも、何も答えは見つからない。
とにかく今はあたしでも強くなれるって信じるしかない。
ここでリーラヴは考えるのをやめ、寝ることにした。
「明日は卒業式か…」
壁に貼ってあるカレンダーを見ながら、リーラヴはそう言った。

翌日。卒業式にはたくさんの親子がいた。でも、リーラヴの両親はいない。
「あのバカオヤジ…今日ぐらい来てくれったっていいのに…」
リーラヴはそうつぶやいた。

「みなさん、卒業おめでとうございます。では、みなさんお待ちかねですね?
 この学校の中庭か温室の中からポケモンを1匹選んでくださいね」
その言葉を合図に卒業生たちはみんな走り出した。目をつけてるポケモンを
他の人に取られないようにするためだ。でも、リーラヴだけは普通に歩いていった。

リーラヴは何の考えもなく、なんとなくで温室に行った。中は卒業生でごった返していた。
親が「これがいい」「これはダメ」とか言っているところも少なくなかった。
子供に決めさせればいいのに…。そう思うと、オヤジが来なくて良かったと思えた。

10分もすると、半分ぐらいの子はポケモンを決めていた。
一方、リーラヴはというと温室内のベンチに腰をかけ、いろんなポケモンたちを眺めていた。
ポケモンを見れば、その子の性格、強さとかがわかる。それもリーラヴがつちかった力だ。

ポケモンたちをながめているリーラヴ。そのとき、1匹のポケモンが目に入った。
黄緑色の体に青々しい大きな1枚の葉っぱ。チコリータだ…。
でも、その体にはキズがたくさんあった。他の子供たちは、そばを通っても見向きもしない
。…あの子が…例のいじめられてる…。リーラヴはしばらくチコリータを見ていた。

リーラヴはチコリータに話しかけてみることにした。
そのときには、もうほとんどの人が温室の外に出ていた。
「ねぇチコリータ。どうしていじめられてるの?」
『え?あなた誰?』
「あぁ、あたしはリーラヴ。ここの生徒…いや、もう卒業生だね」
『ポケモンの言葉がわかるの!?』
チコリータはびっくりしているようだ。しかし、リーラヴは平然としていた。
「うん。ねぇ、教えて。どうしていじめられてるの?」
『わかんない』
チコリータは少し戸惑いながら言った。
「そっか…」
『でも…どうしてそんなこと聞くの?』
「えっ…?」
リーラヴは少し迷った。正直、自分でも何でこんなことを聞いたのか、よくわからなかった。
「えぇっと…ポケモンでもいじめってあるんだな~と思ってさ」
リーラヴは半分テキトーに答えた。
『うん…そういえば、今年の卒業生にはいじめられてる子がいるって聞いたけど?』
「あぁ、それ多分あたしのことだ」
リーラヴはしぶしぶ言った。
『えっ!?』
「この白髪のせいでいじめられたんだ」
『そうなんだ…』
「同じ…だね」
チコリータはその言葉を聞いてリーラヴをじっと見た。
『うん』

それから10分ぐらい話をした。そして、ある考えがリーラヴの頭をよぎった。
「ねぇ…チコリータ。あたしといっしょに来ない?」
『えっ!?』
突然の話に驚くチコリータ。しかし、リーラヴはそんなことお構いなしに話を続けた。
「あたしといっしょに旅して強くなろう!」
『でも…私なんかが強くなれるのかな』
「わからない…でも信じるの!強くなれるって!」
『でも…』
いつまでもうじうじしているチコリータを見て、リーラヴは少しカッとなった。
「でもじゃないの!やってみなきゃわからないでしょ?それともチコリータは弱いままでいいの!?」
それを聞いたチコリータは即答した。
『そんなのヤダ!!』
「じゃあ…行こうよ。強くなってあたしたちをいじめたやつらを見返してやるんだ!」
『うん!』
チコリータはうれしそうにそう言った。  続きを読む

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2008年06月26日

No.2 ヒストリー

コサブロウに連れられて家までやって来たリーラヴたち。さて、コサブロウの家は…。

「リーラヴさん。ここが僕の家です」
「えっ!?」
リーラヴは自分の目を疑った。それもそのはず。リーラヴたちの目の前にあったのはとても大きくて豪華な家。
広い庭にはプールまで付いている。コサブロウは実はおぼっちゃまだったのだ。
リーラヴは口をパクパクさせていた。
「…あ、やっぱりびっくりしてますよね…学校の友達とか連れてくると
みんなびっくりしてひいちゃうんですよ」
リーラヴを見たコサブロウは微笑しながらそう言った。
「そりゃ…ひくでしょ…こりゃ」
リーラヴは家(つーか城!?)から目を離さずに言った。

とりあえず中に入らせてもらったリーラヴ。中もとても豪華な造りだった。どこまでも続く廊下。
天井には大きくてきれいなシャンデリア。コサブロウがお金を要求されていた理由がわかった。
すると廊下の向こうのから誰かやってきた。
「おかえりなさいませ。おぼっちゃま」
その人は灰色の髪をした細身の老人…執事といったところだろうか。
「おじい!」
「おぼっちゃま…そちらの方は?」
その人はリーラヴを見て言った。
「ポケモンマスターのリーラヴさん。僕が招待したんだ」
「あ、りっリーラヴと言います」
リーラヴは緊張してしまってうまくしゃべれなかった。
「そうですか…では」
その人はリーラヴたちに軽くお辞儀をして去っていった。

「リーラヴさ~ん。こっちですよ~」
「う~さすがに広いなこの家…よく迷わないね」
リーラヴはキョロキョロしながら言った。
「あ、この部屋が空いてますよ」
コサブロウはバッグから鍵を出した。しかしそれにはおそらくこの家の部屋すべての鍵が
付いているようでこの部屋の鍵を見つけるのに手間取った。
「えぇっと…ここの鍵…あった!これだ!」
コサブロウはたくさんある鍵の中から1つの鍵を取り出し鍵穴に入れた。 ガチャッ
「どうぞ。入ってください」
「ありがと」

リーラヴたちが入った部屋は普通の家のリビングの2倍ぐらいはあった。
リーラヴは部屋にあった大きなベッドに腰をかけた。
そして一息つき「さてと、こんな大きな家に入れさせてもらっちゃったし、
昔のこと…話そうかな」と言った。
「一応言っとくけど日が暮れるぐらい長くなると思うよ」
「大丈夫です!今日、暇なので…」
リーラヴはニコッと笑った。
「そっか。わかった。それは…―」

―それはあたしが10歳のとき。
あたしは親が離婚していて母親は行方不明、父親はシンオウ地方の名もない森を所有していて、
そこの自然を守っている。母親について知っていることはマサラタウン出身で
電気ポケモンの使い手だということだけ。あたしが生まれたのはマサラタウン。
あたしは物心ついたときからオーキド研究所に居候させてもらってた。
あたしは近くのトレーナースクールに通いながら、研究所で手伝いをしていた。
小さい頃から研究所のポケモンたちと触れ合ってたおかげか、あたしはポケモンの言葉が
わかるようになった。あたしはもうすぐトレーナースクール卒業。あたしが行っている学校は
卒業するときにポケモンを1匹くれる。だから、卒業式の日が旅立ちの日になる人が多い。
さて、あたしのスクールライフはというと…

 ドンッ
「きゃぁっ!」
 ガシャァン
「ほーら、白髪のおばぁちゃーん。おれたちにはむかうからそうなるんだよ~」
リーラヴは他の生徒たちに囲まれていた。それは男子だけではなく、女子の姿もあった。
「げっ俺の服、お前の血がついちまったじゃねえかよ」
「うっわ、最悪~責任取らなきゃぁ~…じゃあ私たち全員分のおやつ買ってきて~」
「さすがにおばぁちゃんにそれはきついでちゅよ~」
1人の男子の言葉に教室中の子供たちが笑った。
「…なによ…」
リーラヴは呟いた。
「ん?何か言ったか?ばぁちゃん」
「あたしが何したっていうのよ!!」
リーラヴはそう叫び、みんなをにらみつけた。
「うっざ~気付いてないの?あんた、みんなの足引っ張ってんのよ?
ノロいし、白髪だし、何1ついいとこないじゃ~ん」
「お前がトレーナーになってもどうせ弱いんだろ?ポケモンがかわいそうだぜ」
「そうだ!こいつにはあの子がピッタリよ。温室にいて、いつもほかのポケモンにいじめられてるやつ!」
「あぁ、メスのチコリータだろ?あいつメッチャ弱いよな~こいつにピッタリだぜ」
教室にまた笑いが起きた。
リーラヴは下を向いた。

帰り道。リーラヴは考え事をしていた。

あたしはなんでいじめられてるんだろう。弱いから?どうすればいい?
どうすればあたしは強くなれる?たしかにみんなの言うとおり、ずっと弱いままかもしれない。
ポケモンはこんなあたしについてきてくれる?ダメだ。あたしは弱いから。
オーキド博士は『ポケモンには無限の可能性がある』って言ってたけど、人にはあるのかな。
あたしにもあるのかな。あるって…信じたいよ…。  続きを読む

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2008年06月12日

No.1 始まり

よく晴れた日の朝。白髪の少女、リーラヴはいつものように相棒のメガニウムの背中に乗り、
ちょっとした散歩をしていた。

すると向こうのほうに誰かいることに気づいた。近づいてみると1人の男の子が
リ-ラヴと同年代ぐらいの少年5人に囲まれていた。
「おい、コサブロウ。金は持ってきたんだろうなぁ」
少年が男の子にそう迫った。
「っ…今、お金なくって…ごめんなさい!」
男の子がビクビクしながらそう言うと少年達は顔色を変えた。
「んだとぉ!テメーなめてんのか!?」
「ひっごっごめんなさいっ!!」
すると少年がフッと笑って男の子を睨んだ。
「ちょっと痛い目にあわせてやろうぜ」
他の少年達もニヤリと笑った。
その会話を聞いていたリーラヴはなんのためらいもなく飛び出して、
男の子と少年たちの間に割り込んだ。メガニウムもそれに続いた。
「ちょっと何やってんのよ君たち!まだポケモンを持ってるか持ってないかぐらいの子に
 5人がかりでなんて…卑怯よ!!」
リーラヴは真剣な顔つきで少年たちを見た。
「なんだ?邪魔すんのか?」
「そこどかねーならまずお前から痛い目にあってもらう!」

5人はモンスターボールを出した。
「いけっ!」
5人が出したのはオニドリル、サイホーン、ゲンガー、ブーバー、ギャラドスだった。
「メガちゃん!」
『メガッ』
リーラヴの隣にいたメガニウムは1歩前に出た。
「5匹相手に1匹だと?なめんじゃねーよ!」
「やっちまえ!」
5匹が動き出した。
その瞬間リーラヴが叫んだ。
「メガちゃん!マジカルリーフ!」
『メガメガー!』
 シュッ マジカルリーフは目に見えないほどの速さで相手のポケモンたちに襲い掛かった。
「なっなんだと!?すげえスピードだ…」
少年は唖然としている。
「感心してる場合かっ一斉にやっちまえ!」
5匹がメガニウムに襲い掛かった。
「メガちゃん!ほうでんよ!!」
 カッ バチバチッ 一瞬なにも見えなくなるほど光った。
見えてきたときにはサイホーン以外の相手ポケモンは倒れていた。
「俺のポケモンが!」
「まだ大丈夫だ!サイホーンは残ってる!サイホーン、とっしんだ!」
サイホーンがメガニウムに向かってすごいスピードで来た。
「つるのムチ!」
 シュルッ メガニウムからつるのムチが出てきた。それがサイホーンの体にまきついた。
サイホーンは動けなくなった。 ブンッ メガニウムはサイホーンを5人のほうに投げつけた。
 ドーン サイホーンは5人の目の前に落ち、ノックアウトした。
「ひぃっ!」
「な何者だ!?こいつ」
少年たちはかなりあせっている。
「ん?こいつどこかで見たような気がすると思ったら…ポケモンマスターのリーラヴじゃねえか!!」
少年たちの顔はみるみる青ざめていった。
「なに!?ポケモンマスター!?」
「かなうわけねえ…に、逃げるぞ!」
5人は一目散に逃げていった。

「フーなんとかなったわね…大丈夫?君」
リーラヴはくるっとふり返ってそう言った。
「あ…はい。助けてくれてありがとうございます」
男の子は軽くお辞儀をした。
「いーのいーの。あぁいうのほっとけないだけだから」
リーラヴはニコッと笑ってそう言った。
「そうですか。すごいですね…リーラヴさん?名前は聞いたことあるような気がする」
「そう?まだポケモンマスターになってから1年ぐらいしか経ってないと思うけど…」
リーラヴはあっさりと自分からポケモンマスターだと言った。
「ポケモンマスターですか…。ずっと憧れてました。でも…ぼくみたいな人じゃダメですよね」
「そんなことないよっ!」
リーラヴはいきなり大声を出した。
「えっ!?」
リーラヴの突然の言葉に男の子は少し驚いた。
「あたしも一緒だったから…この子だって」
と言いリーラヴはメガニウムをチラッと見た。
「そんな、ぼくに気を使わなくてもいいですよ」
「ちがうってば!ホントなの」
男の子はキョトンとしている。
「…どういうことですか?」
「それは…」

リーラヴは少しためらった。
「あたしもメガちゃんもいじめられてた。昔ね」
「えっ!?…どうやったらそんなに強くなったんですか!?」
リーラヴはどこから話せばいいだろう、と少し困った顔をした。
「う~ん…話せば長くなると思うけど…聞きたい?」
「聞きたいです!…そうだ。ぼくの家に来ませんか?ここからすぐですし」
「そうなの?じゃあそうしようかな~」
リーラヴは再びニコッと笑った。
「あ、ぼくコサブロウといいます。よろしくおねがいします」
リーラヴはこのとき初めてコサブロウの笑顔を見た。
「じゃあ、あらためましてリーラヴです。こっちは相棒のメガちゃん」
『メガメガッ』
コサブロウはくるっと体の向きを変えた。
「じゃ、いきましょうか。こっちです」
リーラヴはメガニウムの背中に乗った。そして、2人と1匹は歩き出した。  続きを読む

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2008年02月26日

物語 「Believe」

「Believe」はポケモンの物語です。

この物語の内容を簡単に説明すると…
主人公リーラヴとチコリータ、その仲間たちがポケモンマスターという夢に向かって
強く成長していく物語です。
物語のキーワードは「強さ」「仲間」そして「信じること」
ぜひ見てください☆

ちなみに「Believe」は英語で「信じる」という意味です。

「続きを見る」には主にあとがきがあります。


しばらくの間は1度にたくさん更新するかも…。  

Posted by シェルテ at 17:23Comments(0)TrackBack(0)物語『Believe』